ふと、手持ちの駒に決まった顔ぶれがいるのも悪くないか、と思い人事にその旨を伝えてみた。
斥候ニンジャで機動力重点な。バンディット=サンのような働きができる(系統としての話だ)奴で顎で使うのに問題のない新入りを頼んでおいたが…何故か配属されたのが雀だった。
雀だ。雀がいる。
「ハジメマシテ。ガーゴイル=サン。ヘルカイトです」
ピーチクパーチク。
「斥候重点でジツはステルス凧カッコイイヤッターです」
飛ぶのか。やっぱ雀だ。
「若輩者ですが以後よろしくお願いしま」
チョップ!
「グワーッ!」
アイサツの終わらないうちの攻撃!スゴイ・シツレイだ!雀は壁に吹っ飛んで行った。
だが考えてみて欲しい。欲しかったのは言う事をきく便利な手駒だ。雀ではない。そして雀相手にアイサツする義理はない。故に無問題!チョップだ!カラテあるのみ。首元を重点。
フラフラと立ち上がる雀に一瞥をくれる。キアイも入れずに放った軽いチョップだ。ニンジャならば大したダメージを受けていなくて当然ではある。
「なんだ、スズメが来たのかと思った」
「スズメ…」
雀呼ばわりされた雀の目に一瞬苛立ちの色が混じりすぐにそれを隠した。ちょっと奥ゆかしい。
「まあ新入りでもニンジャとして使えるならいいや。俺はお前の偉大な上司のガーゴイルです。よろしくなスズメ」
「…ヘルカイトです」
敵意剥き出し!
アー、さっき思った「奥ゆかしい」は取り消しだ。やはりカラテあるのみ。
「イヤーッ!」「グワーッ!」
鮮烈なチョップ!雀はモルスァみたいなことを言いながら再び吹っ飛んでいった。
いちいち口答えすんじゃねえよ雀。
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